大相撲夏場所(14日初日、東京・両国国技館)の横綱審議委員会による稽古総見が3日、国技館で行われた。

 夏場所前恒例の無料の一般公開とあって、約8000人が訪れたが、左上腕部などをけがしている横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)は欠席した。

 この連絡が日本相撲協会になかったため、春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)は「これ(無断欠席)はダメ。自覚を持たないと。大関とは違うんだから」と苦言を呈した。だが、この“無断欠席”騒動に一番驚いたのは、稀勢の里本人だった。

 前夜に師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)と話し合い、欠席すると決めた。「関取衆と相撲が取れないので、休ませていただいた。四股や基本動作だけなら行くことはできたけど(部屋で若い衆と)相撲を取ってみたいのがあった。申し訳なかったですけど」。それだけに、騒動となっていることをニュースで知って「びっくりしました」と驚いた。

 実は欠席するという連絡を、師匠が失念していたという。その後、八角理事長(元横綱北勝海)に謝罪したという田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は「本人から聞いていたので、連絡しなければと思っていたのですが…。僕の不手際です。迷惑をかけて申し訳ない」と謝っていた。