今春以降、コロナ禍で在宅時間が激増。それに比例してYouTubeを視聴する時間もすさまじく増えている。ついには、広告が非表示になったりバックグラウンド再生が可能になったりするメリットがある月額1180円の「YouTubeプレミアム」にまで加入してしまった(※どうでもいいが月額960円の「ABEMAプレミアム」にも加入)。

数十年来の格闘技マニアである筆者の場合、9割以上が格闘技関連ジャンルだが、現段階で約130のYouTubeチャンネルを登録。登録チャンネルの更新動画を見るだけでもえんえんと視聴が続くのだが、かつ、“寄り道”して、右側に表示される関連おすすめ動画などもクリックし始めると、もはやYouTube視聴がまったく終わらなくなってしまう事態が頻発している。

それ自体は、格闘家の素顔や性格が分かったり、格闘技ジャンルの知識向上や最新情報収集などに役立っているから良いのだが、デスクトップパソコンで長時間YouTubeを視聴した後、就寝しようと布団に入った後もスマホのYouTubeアプリを開いて続きをいろいろと見始めてしまい、かつ同時に、せっかく加入したプレミアム機能を生かしてそうしたYouTube動画をバックグラウンドで流しつつ、ブックマークしている格闘技関連のツイッターやサイト計100以上を同時並行的にチェックするなどすると、まったく入眠態勢になることができず、気づくと明け方…ということがしばしば起きる問題が浮上していたわけだ。

そうした中、YouTubeアプリに「おやすみ時間の通知」なる機能ができていたことに気づいた。コロナ禍において、長くなりがちなオンラインで過ごす時間を管理できるようにするための、半年くらい前に導入された新機能のようで、時刻を設定すると、その時刻になると“もう寝てください”的な通知が届くというのだ。

というわけで先日、その「おやすみ時間の通知」機能を使ってみることにし、一応、かなり余裕をみて午前3時に通知時刻をセット。午後11時に就寝態勢に入り、スマホでYouTubeを見つつも、「深夜0時までには入眠しよう」という腹づもりだった。しかし、動画をいくつも見続けているうちにいつの間にかある種の強烈な集中状態、いわゆる“ゾーン”に入り、時間感覚が完全に消失。

スマホ画面に「おやすみの時間です」というメッセージ通知が、動物が木の上で眠っている絵の画像とともに届いてしまい、そこでハッとわれに返った。

ま、まずい。「就寝態勢に入ってから4時間もの間、結果的にYouTubeを見続けていた」という現実に直面し、がく然。その“ショック”でさらに眠れなくなるという状況になった。

自身で設定したものとはいえYouTubeからきた「もう寝る時間ですよ」通知で、われに返る。早寝を他者から促されたのは修学旅行で宿泊した旅館の部屋で深夜同級生との会話が白熱し、見回りの担任教諭から「早く寝ろ」と叱責された時以来かと思うが、その時は罰として正座もさせられたため早く寝たくても寝ようがないという“不条理”も学習した
自身で設定したものとはいえYouTubeからきた「もう寝る時間ですよ」通知で、われに返る。早寝を他者から促されたのは修学旅行で宿泊した旅館の部屋で深夜同級生との会話が白熱し、見回りの担任教諭から「早く寝ろ」と叱責された時以来かと思うが、その時は罰として正座もさせられたため早く寝たくても寝ようがないという“不条理”も学習した

思えば、「何かに没頭し、眠る時間が大幅にずれ込み明け方になってしまう」という問題は中高時代、「月刊ムー」の「ハルマゲドン人類滅亡予言」「国際的秘密結社の謀略」「幽体離脱入門」などの記事を戦慄しながら熟読していたころにもよくあったと記憶している。

とはいえ、格闘技ジャンルにおいては、YouTubeならではの驚くような“夢のコラボ”が次々と実現しているのも事実。最近だけでも「五味隆典対朝倉海」のレスリングスパーや、「朝倉未来対木村フィリップミノル」の打撃スパー、「那須川天心対久保優太」の打撃スパーなど、通常では“ありえなかった”と思われるような交流が次々起き、それを(プレミアム機能の月額料は別として)無料で見ることができるすごい時代になっている。

ちなみに筆者が現在、格闘家&格闘技関係者(一部筋トレ関係者含む)で登録している主なYouTubeチャンネルは、一部敬称略&順不同で言うと「朝倉未来」「朝倉海」「那須川天心」「武尊」「皇治」「安保瑠輝也」「大沢ケンジ氏」「金原正徳」「前田日明氏」「木村フィリップミノル」「斎藤裕」「久保優太(妻サラさんとのチャンネル)」「扇久保博正」「五味隆典」「神龍誠」「“筋肉博士”山本義徳氏」「桜庭和志&美木航」「金太郎」「QUINTET公式(グラップリングの大会)」「昇侍」「福地勇人(白蓮会館の空手世界王者)」「矢地祐介」「山崎秀晃」「砂辺光久」「北方大地」「佐々木憂流迦」「HIROYA&大雅」「瀧澤謙太」「水垣偉弥氏」「堀口恭司」「ごうけつ氏(アームレスリング元世界王者)」「JIN氏」「小比類巻貴之氏」「北村克哉」「“ビッグ・ヒデ”こと山岸秀匡氏」「渡嘉敷勝男氏」「白鳥大珠」「“人獣”中村寛」「RIZIN公式」「内山高志氏」「K-1公式」「ABEMA格闘チャンネル」「バズーカ岡田氏」「北島達也氏」「ジュラシック木澤氏」「THE OUTSIDER公式」「DEEP公式」「ゴールドジム公式」「パンクラス公式」「ZST公式」「なかやまきんに君」…などなどで、このほかはマニアックすぎるものばかりのため割愛する。

個人的に最近面白いと思う格闘技系YouTubeは、“ドンマイ川端”こと柔道家川端龍選手のチャンネル、また、“股間王”と自称しているキックボクサー堀井翼選手のチャンネルあたりか。

また格闘技ジャンル以外だと、「ぼったくりバー潜入」「詐欺業者と対決」系などの裏社会ネタ系のものは、以前自身も同種案件の取材をよくしていたこともあってだいたいチェックしており、この系統も見始めると関連動画が次々出てきて、「ガチ潜入なのか、そうでないのか」などと推察しながら各チャンネルをウオッチすると、これまた止まらなくなってしまう。

「見る側」としては、あくまで筆者の場合、例外はあるものの「長すぎる動画」はクリックを避けてしまう傾向がある。サクッと面白い動画を自分の意思で見たいときに見れるのがYouTubeの醍醐味の1つであろうため、個人的には10分前後にまとまった動画が一番、気軽にクリックしやすい。

ちなみに新聞記事(※ネット記事含む)においても、いくら正確に細かく書いていても「長すぎる」原稿は敬遠されたり、途中で読むのをやめられてしまいがちだとも言われているから(※これも例外あり)、どこかYouTubeに似ている側面もあるのかもしれない。

……とここまでごちゃごちゃ書いてきて、この日誌そのものが明らかに「長すぎる」原稿に該当することにふと気づいたため、この辺で唐突に終わりとしたい。【文化社会部・Hデスク】