女優倍賞千恵子(75)が19日、浅草公会堂で開催された「第9回したまちコメディ映画祭in台東」終日の「山田洋次リスペクトライブ」に出席し、「さくらのバラード」をアカペラで披露した。

 同曲は山田洋次監督作詞、山本直純作曲で、映画本編ではシリーズ第16作「男はつらいよ 葛飾立志編」で1度だけ歌われた幻の名曲。倍賞が歌い終えると、会場からは割れんばかりの拍手が巻き起こった。「ここ浅草は私のキャリアが始まった場所です。映画は本当に素晴らしい仕事で、これからも体を大事にしながらこの仕事に携わっていきたい」と話した。

 また、映画「男はつらいよ」の舞台となった葛飾区の青木克徳区長からは来年3月、寅さんの銅像横にさくらの銅像が作られることが発表された。「私はまだ生きているので、監督に『どうしましょうか』と聞いたら、『諏訪さくらだからいいんじゃないか』と言われました。来年を楽しみにしています」と倍賞は笑顔をみせた。

 この日は、佐藤蛾次郎、岡本茉利もゲスト参加。佐藤は48作品中47作品に出演しているが、唯一の欠席は「撮影10日前に知り合いの運転で事故にあって、あばら骨が5本いってしまって」と話した。岡本は大空小百合役をはじめ合計9作品に出演しているが、「渥美さんは浅草公会堂にもフラッと足を運んでていて、よく8、9列目あたりで見ていました」と思い出を話した。

 山田監督にはコメディ栄誉賞が贈呈されたが、最新作「家族はつらいよ」の撮影で急きょ欠席。代わりに倍賞が受け取った。

 最後は会場も一緒になっての「男はつらいよ」の大合唱が行われ、4日間の映画祭は幕を閉じた。