2月24日に心不全で死去した左とん平さん(本名肥田木通弘=ひだき・みちひろ)のお別れ会が3日、東京・青山葬儀所で開かれた。発起人の1人である浜木綿子(82)は腰を痛めており、この日は会場には来られなかったが、弔辞を寄せた。

 「とんちゃん。浜ちゃん何? って声は帰ってきません。寂しいです。こんなはずじゃなかったのに。まだまだ続けるって言ってたのよ。本当に残念。

 去年の暮れにお見舞いに行ったら、奥様から『このところ反応がないのよ』と。『舞台が始まるわよ、とんちゃん』って呼び続けたら、あなた少し起き上がったの、口を開けて。でも、すぐ寝てしまった。何を言いたかったの? 早く舞台に立ちたいって言いたかったんでしょう? 私は奇跡が起きるんじゃないかと信じていました。でも力尽きちゃったのね。本当に悔しい。

 とんちゃんと2人の舞台は幕がおりました。多くのお客様に笑っていただいたわね。今ここで2人で御礼を言いましょう。ありがとうございました。

 あなたとは戦友、朋友です。とんちゃんは体がすごく硬いのに、舞台ではクラゲのようにやわらかく動き回って、みんなの緊張を和らげてくれましたね。不思議な才能を持った方。

 34歳の時に初めて出会って、何度もご一緒しましたね。あなたと出会えて幸せでした。ありがとう。本当に寂しい。悲しい。つらいです。本当につらいです。また会えるものなら会いたい。今日はたくさんのご友人がいらしているのよね。あなたお友達が多かったから、幸せね。よかったわね。

 今、前に写真があります。昨年4月、博多座公演に2人で行ったときの写真があります。あなた、笑ってる。笑ってる。さよならは言えません。だって、あなたとの思い出は生きていますから。とんちゃん、またね。またね。あなたは芸能界での私の夫。本当にありがとうございました。ありがとう。ありがとう。浜ちゃんでしたよ」。