実在した女相撲興行を描いた映画「菊とギロチン」(瀬々敬久監督、7月7日公開)のヒット祈願法要イベントが27日、東京・両国の回向院で執り行われ、主演の若手女優、木竜麻生(きりゅう・まい=23)や東出昌大(30)寛一郎(21)らが出席した。

 大正時代末期に全国で興行されていた女相撲を描いた作品。貧困や夫の暴力などさまざまな背景から「強くなりたい」と相撲に打ち込む女力士と、「社会を変えたい」と願うアナキスト集団「ギロチン社」が出会い、「自由な世界に生きる」という同じ夢に向かっていく青春ストーリー。

 ギロチン社の中心メンバーを演じた東出は「大変あつい映画、うそのない映画になっていると思います」とあいさつ。「スポンサー様に頂かずクラウドファンディングで資金を集めたので、普通の映画では言えない過激なせりふがある。史実が残酷に映るところもあるかもしれないけれど、リアリティーを追求して撮影に臨んだ次第です」と胸を張って作品を宣伝した。

 瀬々監督は「寛一郎君とは初めてで、彼の首を絞めながら『俺を殺せ』と言ったことは忘れません。木竜さんには『このままじゃ主役を取られてしまうぞ』と言ってしまいました」と、若手俳優2人にハッパを掛けて撮影したことを明かした。続けて「そういう若い2人の力が宿った、すばらしい映画になっていると思います」と2人の熱演をたたえた。

 さらに瀬々監督は「初日舞台あいさつでは、寛一郎が号泣するでしょう」と予告。寛一郎は「しないです!」と否定したが、果たして初日に涙を流すのか、期待がかかる。