市川海老蔵(40)の長男堀越勸玄君(5)が、初の昼夜出演と3役に挑戦する東京・歌舞伎座「七月大歌舞伎」が5日、初日を迎え、2回のカーテンコールが起こる盛り上がりを見せた。

 カーテンコールで勸玄君は、海老蔵と一緒に観客に丁寧におじぎをして沸かせた。昼の部は「三国無雙瓢■久(ひさごのめでたや) 出世太閤記」に、織田信長の孫、三法師役で出演。海老蔵演じる羽柴秀吉の後見をともなって登場すると、大きな拍手と「成田屋!」の掛け声が飛んだ。市川右団次演じる柴田勝家を「憎い爺め、さがりおろう」と一喝、大名たちに「おお、過分なるぞよ」と言葉をかけ、威厳のあるさまを演じた。右手に笏(しゃく)を持ったままで約15分、緊張気味の表情だったが、最後まで信長の孫として堂々とした風情を保った。

 夜の部「源氏物語」では、光の君と春宮(とうぐう)役。海老蔵演じる源氏の君に抱き寄せられる切ない場面では観客を魅了した。

 海老蔵はブログに、勸玄君がスーツで劇場入りする様子などをアップ。終演後は「皆さまありがとうございます。多くの方々に支えられて無事に終わりました」と、感謝を記した。29日まで。

※■は竹カンムリに單