脳内出血による筋力低下などで療養していた歌舞伎俳優中村福助(57)が2日、東京・歌舞伎座で初日を迎えた「秀山祭九月大歌舞伎」(26日まで)昼の部「金閣寺」で4年10カ月ぶりに舞台復帰した。

将軍の生母の慶寿院にふんした福助が登場すると、「待ってました!」「成駒屋!」と掛け声が飛び、大きな拍手がしばらく鳴りやまなかった。「何、春永が迎いとや」「未来の仏果を」などのせりふを明晰(めいせき)な口調で語り、出演は約4分、座ったままだったが、風格漂う演技に「お見事」と声がかかった。客席で見守ったリハビリを支えた香瑠夫人だけでなく、涙を流す観客もいた。

取材対応はなく、福助は「この5年近く、毎日のように芝居の夢を見ました。目覚めて涙したこともありました。まだ万全ではないですが、見守っていただけましたら幸いです」とコメントを寄せた。福助が何度か演じた雪姫に初挑戦した長男中村児太郎(24)も「父と同じ舞台に立たせていただけますことを心より感謝します」と喜んだ。

福助は13年11月の歌舞伎座公演中に体調不良で降板。14年3・4月に予定した7代目中村歌右衛門襲名も延期していた。