米アカデミー賞の前哨戦として注目される第43回トロント国際映画祭が16日に閉幕し、最高賞にあたる一般の観客の投票で決まる観客賞にピーター・ファレリー監督の「グリーン・ブック」が輝いた。

同作は差別が色濃く残る60年代の米南部を舞台に俳優ヴィゴ・モーテンセン(59)とマハーシャラ・アリ(44)主演で人種や階級を超えた友情を描いた実話。

15日に75歳で死去した女優樹木希林さんが出演し、今年5月のカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールに輝いた「万引き家族」(是枝裕和監督)など日本作品は、受賞を逃した。

同賞は毎年、アカデミー賞狙いの作品が数多く上映されることで知られており、昨年の観客賞を受賞した「スリー・ビルボード」はアカデミー賞主演女優賞フランシス・マクドーマンドと助演男優賞サム・ロックウェルをW受賞した他、一昨年受賞した「ラ・ラ・ランド」は作品賞こそ逃したものの史上最多タイとなる14部門でノミネートされ、監督賞を含む6部門を受賞している。(ロサンゼルス=千歳香奈子)