女優寺島しのぶの長男寺嶋眞秀(まほろ)君(6)が「四月大歌舞伎」(26日まで、東京・歌舞伎座)で大奮闘中だ。

夜の部「実盛物語」に出演している。子供らしいかわいらしさに加え、よく響く大きな声に聞き入り、表情と体の動きの良さに見入った。

眞秀君は自分のせりふ出番でない部分も、じっと注意深く舞台を見つめている。相手のせりふに耳を傾けているためだろう、自分のせりふを言う間がすごくいいな、と思って見た。芝居の流れをよく見ていることが分かる。

多分、素の感情が入っているだろう、という表情も良かった。「実盛-」の最終盤、片岡仁左衛門と馬に乗る場面が出てくる。うれしさを抑えきれず晴れやかな顔は、役と相まっており、「ああ、歌舞伎が、芝居が好きなんだな」と感じた。

今年は年明けから、歌舞伎への出演が続いている眞秀君。私は見るたびに、その芝居勘の良さを感じさせられている。