21日、米歌手プリンスさんが薬物の過剰摂取により急死して3年目を迎える中、莫大(ばくだい)な遺産相続の問題は依然として解決しないままだという。

ニューヨーク・ポスト紙の報道によると、プリンスさんの遺産は総額2億ドル(約220億円)ともいわれているが、遺族同士の遺産争いに加え、弁護士費用やコンサルタント費用がかさむ中、最終的にどのぐらいの金額が残るのかは不明とされている。

プリンスさんの遺言検認問題について記事を執筆しているニューヨーク州のマーク・エアラリ弁護士は、プリンスさんの遺産は今後、丸十年間は不安定な状態のままになると予測。

経験上、30年以上かかったケースもあるとした上で、ポスト紙に、「弁護士、会計士、遺産管理会社らがプリンスの遺産の主な受益人になると思う。非常に恐ろしいことだ」と話している。

2016年4月にプリンスさんが急死するとすぐに、45人以上の人々が相続人として名乗り出た。プリンスさんは遺言を残しておらず、裁判官が6人の兄弟姉妹から成る相続人を選んだ。

これまで遺産をめぐり争っていた相続人たちも今年に入り、裁判所が遺産管理会社として任命したテキサス州の銀行が、遺産管理費用として4500万ドル(約49億5000万円)を請求した問題に関する法廷争いで、団結して闘っているという。(ニューヨーク=鹿目直子)