政府の要請を受けて、ライブの中止・延期が相次いで発表されたが、主催者ら関係各所にとっても苦渋の決断となった。

新型コロナウイルスの発生以降、各社は政府の対応を鑑みながら、開催についてその都度判断を求められてきた。中止にした場合、今回は想定外だった新型ウイルスで、さらに疫病はイベント保険の対象にも含まれないことから、中止にした場合に発生するチケットの払い戻しや、警備などを含めたスタッフの人件費など、膨大な損害が発生することになる。

さらに、東京オリンピック(五輪)開催などにともなう各施設の改修なども相まって、ここ数年はライブ会場が不足する状態だ。そのため、特にドームやアリーナと会場が大規模になればなるほど、代替日や会場を探すのも困難になるというジレンマを抱えていた。

感染源とは特定されていないものの、今月8日にマリンメッセ福岡でWANIMAのライブを鑑賞した観客から感染者が発生し、この日の政府要請が中止・延期を決断する背中を押した形になった。【大友陽平】