甲状腺乳頭がんを手術し、21年4月に京都で引退公演を行い、山口県で旅館おかみなどを経験した元宝塚歌劇団雪組トップ高嶺ふぶき(前名・たかね吹々己)が、10月に大阪で3年半ぶりに舞台復帰することが決まった。29日、高嶺もコメントを発表した。

高嶺の引退公演も手がけた「劇団とっても便利」は10月13~15日、大阪・ABCホールで、ミュージカル

「complex」の上演を決め、高嶺が主演する。

高嶺は「初舞台から40周年の今、甲状腺がんの摘出手術後、三年半の活動休止期間を経て、もう1度舞台の世界へ芸名も元の高嶺ふぶきに戻し、全身全霊で挑みます。変わらず応援して頂いているファンの方々や関係者の方々にも感謝し、素晴らしい舞台をお届け出来るよう頑張ります」と意気込む思いを寄せた。

共演は元劇団四季の上田亜希子、東映京都撮影所の俳優峰蘭太郎ら。とあるバーを舞台に、乾いた人間関係と愛憎が渦巻く群像劇。

作曲・脚本・演出は、日本のチャップリン研究の第一人者としても知られ、読売テレビ「そこまで言って委員会NP」にも出演する大野裕之氏。今回は、ミュージカルに、文楽の演出も取り入れ、豊竹呂太夫が指導に入っている。

同劇団は過去に「太秦ライムライト」なども手がけ、昨年は「THE GREATEST SHOW-NEN」でAぇ!groupとミュージカル公演を作り、話題を呼んだ。

宝塚時代から美声で知られた高嶺は、甲状腺がんの手術を機に「以前のように歌えないかもしれない」と言い、いったん引退。リハビリ、レッスンを重ね、病を克服して、舞台へ帰ってくる。