5月31日、国民的アイドルグループとして親しまれた「嵐」が活動を終えた。ラストライブの日はファンクラブユーザーでなくても視聴可能な生配信が設けられ、強く熱い視線が日本中から嵐に注がれた。その余韻はまだどことなく、世間に漂っているように思う。
ライブ当日に披露されたのは全34曲。誰しもが1度は耳にし、口ずさんだことがある楽曲ばかり。結婚式の定番ソング「One Love」、人気ドラマの主題歌だった「Love so sweet」「Trouble maker」。音楽は人の記憶の一部でいてくれる。そのメロディーを合図に、思い出に浸ったりした人も多かったのではないだろうか。
グループの活動終了を前に、5人と親交の深い羽鳥慎一アナウンサーをインタビューする機会があった。盟友でありながら一人の「ファン」。好きな嵐の楽曲聞くと、迷いなく挙げたのが「MONSTER」と「果てない空」。嵐のすごみを感じた2曲だという。
「MONSTER」ではプロとしての力量に圧倒された。テレビ初パフォーマンスという日に取材で現場を訪問すると、その日が初めて5人でダンスを合わせる日だったという。「準備の時間が30分ぐらいだったんです。『30分で合うんですか』って聞いたら『30分で合わせます』って言って、本当に30分で収録できたんですよ」。その衝撃の大きさは今も記憶に鮮やか。「でも、話すと普通のお兄ちゃんたち。だからやっぱり、すごいなって」。
「果てない空」では、エンターテインメントの世界で生きる5人の強い意思を感じた。11年3月11日に東日本大震災が発生し、その翌週に放送された冠番組「嵐にしやがれ」の冒頭で歌唱された1曲だ。「『頑張ろう!』っていう歌なんですよね。すごいメッセージ性があって、覚えています」。震災発生からしばらくは、テレビ番組の放送内容にも配慮、自粛が求められた。そうした世相の中で今できることをと、被災地に寄り添うべく動いた5人の姿と歌声に心が揺さぶられたという。
羽鳥が明かしてくれた思い出やラストライブの配信を見て、記者自身も追想した。高校受験が終わったご褒美に買ってもらったCD、友人と行った映画館で流れた「Believe」。懐かしさに駆られてしまい、ここ最近は何度も聴き直している。ライブのMCで、「みんなで作り上げた『嵐』はこれからも生き続けます」とあいさつがあった。その言葉をかみしめながら、余韻も大切に味わっていきたい。(敬称略)【望月千草】



