挑戦者の一力遼九段(24)と国民栄誉賞棋士の井山裕太棋聖(名人・本因坊・王座・碁聖=32)が3勝3敗で迎えた、囲碁の第46期棋聖戦7番勝負第7局が17日からの2日制で京都市「仁和寺(にんなじ)」で打たれた。

対局は18日午後7時2分、199手までで黒番の一力が中押し勝ち。シリーズ4勝3敗として、棋聖を初めて獲得した。3大タイトル(棋聖・名人・本因坊)を獲得するのも初めて。井山の10連覇はならず、4冠に後退した。

大一番前日の夜、東北地方を地震が襲った。連絡も取れないままだった。「自分ができることは、目の前の1局に集中すること。しっかりやろう」と言い聞かせて、盤に向かった。敗れた第6局は、11年前に東日本大震災が起こった3月11日。今回は被災地へ朗報を届けることができた。

若手のホープとして2016年(平28)10月、7大タイトル戦の1つ、天元戦5番勝負で初めて井山に挑戦した。結果は1勝3敗。翌年天元戦と王座戦はともに5番勝負で3連敗した。

初の2日制7番勝負を演じた18年棋聖戦は4連敗。被災地の1つで、震災復興のために招致してくれた岩手県大船渡市の第4局で終わり、力の差を見せつけられた。

20年の天元戦で3勝2敗とし、ようやく井山からタイトルを奪うことができた。ところが、21年の碁聖戦は2勝3敗で防衛に失敗。名人戦7番勝負も、一時3勝2敗と相手をかど番に追い込みながら、連敗して初の名人獲得はならなかった。2日制7番勝負は3回目。やっと第一人者を倒せた。「自分自身、成長することはできた。まだまだ内容的に物足りないし、頑張りたい」と話していた。

敗れた井山は、「リズムとしてあんまり良くなかった。判断が難しく分かってなかった。もう少しいい手があったかもしれない」と振り返った。

棋聖戦は9連覇でストップした。「ここまで続けられたのは出来過ぎ。今期はまずい負け方、残念な負け方が多かった。力を蓄えて、またいつか戻って来られるように頑張りたい」と語った。【赤塚辰浩】