藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が2日、静岡市「浮月楼」で行われた将棋の第81期A級順位戦最終9回戦一斉対局で、午後7時52分、91手で後手の稲葉陽八段(34)に圧勝した。角換わり腰掛け銀から積極的に仕掛け、攻め切った。渡辺明名人(38)への挑戦権を争い、 同じ6勝2敗で並走していた広瀬章人八段(36)も菅井竜也八段(30)を下した。10人総当たりのリーグ戦でお互いに7勝2敗で並んだだめ、挑戦者を決めるプレーオフを8日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行う。どちらが勝っても、名人戦には初挑戦となる。

 

勝つか負けるかで大きく状況が変わるはずだった。「特に意識せず、いつも通り盤に向かいました」と話した。A級初参加でリーグトップの成績は立派だ。「負けた将棋はチャンスを作れなかったのが反省点。最高の舞台は、1局1局が非常に重いと感じました」。

ようやく名人への挑戦が手の届く位置まで来た。最も歴史と重みのあるタイトルと思っている。「名人をこす」。小学校低学年時代に文集で書いた。「あれは、そろそろ時効にしてほしいです」。最後は報道陣を笑わせる余裕すらあった。【赤塚辰浩】

◆A級順位戦の最終成績

7勝2敗 藤井聡太竜王、広瀬章人八段

6勝3敗 永瀬拓矢王座、豊島将之九段

5勝4敗 斎藤慎太郎八段、菅井竜也八段

4勝5敗 稲葉陽八段

3勝6敗 佐藤天彦九段

1勝8敗 糸谷哲郎八段、佐藤康光九段