男子88キロ級はパラリンピック3大会連続出場の大堂秀樹(46=SMBC日興証券)が174キロで制した。

「不調が続いていましたが、今日(調子の)底を打ったので、これから上がってくるでしょう」。日本のパワーリフティング界をリードしてきた男の表情は明るかった。最終3回目に180キロに失敗したが、しっかりとバーベルを押しあげられたことが手応えになった。

昨年夏に左肩を痛め、治療と並行してトレーニングを続けざるを得なかった。年明けの練習では160キロのバーベルを重く感じるほど状態は悪かったというが、「今日は軽く感じました」と笑顔が続いた。

197キロの日本記録保持者。東京パラ出場を争うパラランキングは195キロで11位だ。出場が内定する8位以内へは現状、203キロが求められる。「世界中の選手が203キロを狙ってくるでしょう。だから、それ以上を狙っていきたい。コロナ禍の中でも調整が難しいとは思わない。やるべきことを淡々とやっている」。08年北京から4大会連続出場をかけるのは、6月のW杯UAEドバイ大会になる。

◆パラ・パワーリフティング 下肢障がい、低身長の選手が対象で、台上にあおむけになった状態でバーベルを押し上げて重量を競うベンチプレス競技。東京パラでは男女各10階級が行われる。出場標準記録突破、国際パラリンピック委員会指定の国際大会出場、東京パラランキング8位以内の条件を満たした男女160人に加え、推薦選手20人の計180人が出場予定。