ここ半年の悩みがようやく解消できそうだ。蒲郡は今年5月に新エンジンとなってからエース機が不在。野球やその他のスポーツ同様、エースが存在すれば、それだけで軸ができる。軸がしっかりすれば、枝葉も輝く。エース機は日々の原稿を楽にしてくれる、記者にとってもなくてはならないパートナーだ。

そのエース機として75号機に期待したい。毒島誠にチャレンジカップVをもたらした71号機でも、寺田千恵に逆転でのクイーンズクライマックス出場をプレゼントした56号機でもない。複勝率は前節までわずかに23・5%。複勝率が足りなくてレディースチャレンジカップにも出場できなかった“劣等生”から一気の昇格だ。

夏場以降に風向きが変わった。地元の谷本幸司が8月に本体を整備し、9月に西村豪洋がペラを調整してからムードが一変。その西村は出足、回り足をトップ級に仕上げ、うれしいデビュー初V。その後はルーキーが乗ることが多く、苦戦が続いたが、前節の中村尊が優勝を飾り、再び存在感を取り戻した。中村も「出足がいい。自分が乗りこなせていないだけで、しっかりした人が乗ればもっと出せるはず。いいエンジンだと思いますよ」と力強く太鼓判を押した。

前節の優勝で複勝率は28・9%に上昇した。残り半年でどこまで数字が伸びるのか、楽しみでしかない。蒲郡のファンにはすでにおなじみだが、まだまだ全国区の知名度は低い。蒲郡ボートをネット、電話投票で買う機会があれば、ぜひ、複勝率をうのみにしないで75号機に注目して欲しい。思わぬ高配当にありつけるかもしれない。