今季のJ2アルビレックス新潟の先発予想は難しい。過密日程の中、スタメンを入れ替えながらもチーム力が大きく落ちることはなく、4月以降7戦負けなしで2位に浮上した。疲労を考慮して前節から先発5人を入れ替えた4日のホーム金沢戦(1-0)では、11試合連続フル出場中だった主力のMF高がベンチを外れ代わりにMF秋山が今季初めて先発フル出場。相手チームにしてみれば、その出方は読みにくい。

一方で、試合前の準備がうまくいっている結果か。松橋監督の試合中の動きは少ない。2試合連続で同じ先発で臨んだことはないが、シーズンの3分の1を終え、延べ交代出場人数は今季J2最少の53人。戦前のプラン通りに進めることで選手交代によるテコ入れは必要最小限にとどまっているということか。14試合で最大70人の交代枠をフル活用している首位の横浜FCとは対照的なデータだ。

温存された主力がコンディションを調整し、これまで出番の限られた秋山のような選手がフル出場して、勝ち点3獲得に貢献して自信を深める。松橋監督は「選手全員が戦力。メンバーが変わってもパフォーマンスを発揮できる」と信頼。前半に先制点を許した前節の琉球戦では前半だけで先発2人を交代させるなど決断の速さも併せ持つ。スタメンをほぼ固定し、相手の対策が進むにつれて失速した昨季のような失敗は繰り返さない。【石川秀和】

今季J2の延べ交代出場人数
今季J2の延べ交代出場人数