日本が無失点で勝てたことが大きな収穫になった。

特筆すべきはGK権田を含めた守備陣の安定感だろう。前半36分には長友が高い位置で球を奪取できず、左サイドの進入を許した。非常に危険な場面だったが、中島と吉田が相手を追いかけ、特に中島が2列目から下がって最後まで重圧をかけ続けた。だから権田は集中できたはずだし、ファインセーブにつながったはず。リスク管理ができたからこその場面だ。

守備陣は「蹴る」「奪う」「つなぐ」の意識が高く、テンポがよかった。大迫の1点目は冨安からの正確な縦パスが起点となったし、守備でのリズムが攻撃の組み立てにも好影響した。

久保に関しては過度な期待をかけるのは早い。強豪国が本気になれば当たりの強さはこの程度ではない。まずは欧州と日本の移動を経て試合に出るという経験をできたことで、次につながればいい。(日刊スポーツ評論家)