日本は最強韓国相手にメンバーを落としたチーム構成で1-2の僅差で負けた。これで慰めになるか。完敗だよ、完敗。GKが頑張ったから2失点で収まったけれど、4、5点取られてもおかしくない展開だった。

パリ五輪を目指す年代で、大学生を多く含んだサブメンバーが経験を積んだと言い訳するかもしれない。育成か。選手は勝って育つもんだよ。若手を育てたいなら、勝てるメンバーで挑まないといけない。わざわざメンバーを落として優勝を狙おうなんて、相手と大会に失礼だね。

負の記憶だけが残る試合をしてしまった。今大会、北朝鮮のプレーが汚いと、言われていた。でも、この日の日本も相当汚いプレーがあったぞ。後半ロスタイム。右サイドでMF佐藤が後ろから相手の足を引っかけて警告をもらった。カウンターを許し、思いっきり、後ろから足を狙ってタックルした。一発退場でもおかしくないプレーだ。

冷静に考えてほしい。普段の佐藤なら、あんなプレーはしないはず。でも実力の差が開きすぎている相手に、なんとか勝ちたい、しがみつきたいという気持ちが強すぎて、我を忘れたのだろう。これでは次につながらないし、イエローカード1枚で失点危機から逃れられるという甘い考えだけが残る。この記憶は、佐藤の成長の妨げになるだろうね。

韓国は兵役免除がかかる試合でタイトルを取りに行ったが、日本は経験を積みに行った。これでは試合にならない。スケジュール調整が難しく、Jクラブを気遣ったのだろう。以前はJリーグとのスケジュール調整が難しくて、招待された南米選手権に辞退したこともある。Jリーグと日本サッカー協会(JFA)が、一枚岩ではないんだね。

ユニバーシアード大会の種目でサッカーがなくなったわけだし、スケジュールをしつこく言うなら、これからアジア大会は大学生だけを出場させればいいんじゃないの。

(日刊スポーツ評論家)

逆転ゴールを決め喜ぶ韓国(ロイター)
逆転ゴールを決め喜ぶ韓国(ロイター)