日本代表で5年2カ月ぶりのFK弾が決まった。MF原口元気(27=ハノーバー)が1-0の前半19分、自ら仕掛けてペナルティー左角付近で得たFKを右足で蹴り、相手GKのキャッチミスを誘発しネットを揺らした。

原口は「思い通り飛んでないし、決めたと言っていいのか分からない」と苦笑。13年9月6日のグアテマラ戦でMF遠藤保仁が決めて以来のFK弾に「カウントしないでほしいです。でも、ゴールはゴールなので、今はよかったなと思いますけど」と振り返った。

W杯ロシア大会では3試合に先発し、決勝トーナメント1回戦のベルギー戦ではゴールを決めた。森保ジャパンでも先発は不動と思われたが、MF南野、中島、堂安らの台頭でベンチを温める時間が続いていた。追う立場になった現状にも「完全に楽しめてますね」とさらりとかわす。若手が勢いだけでなく、能力が高いことを挙げた上で「逆に競争を楽しんでいますし、すんなり負けるつもりもない」とも打ち明けていた。

16日のベネズエラ戦は1-0とリードした中で途中出場だったが「できれば2点目を取りにいく、1点を守るのは自分の使命だと思っていた。両方達成できなかったし、もっと引っ張らないといけないと」と反省。キルギス戦に向けては「普通にやったら僕らの方が力は上だけど、そういう相手でもサッカーは難しいし、どんな相手も難しい」と警戒していた。

この日の先発メンバーでは、原口は国際Aマッチの出場数が最も多い“ベテラン”。試合でうまくいかない時間帯を想定した上で「難しい時間帯になったとき、どうリアクションが取れるかを大事にしたいし、一番走るつもりでチームを引っ張っていきたい」とW杯出場組としてのプライドをのぞかせていた。その中で存在感を示す一撃となった。