J1大宮アルディージャからJ2湘南ベルマーレに電撃移籍した、元セルビア代表FWドラガン・ムルジャ(33)が4日、湘南に合流した。練習後、ムルジャはニッカンスポーツコムなどの取材に応じ、電撃移籍を決めた真意、湘南での目標などを語った。一問一答は以下の通り。

 -移籍は急だった

 ムルジャ この数日間で、環境を変える決断をしたということです。私にとっても急な話でしたし、簡単な決断ではなかった。

 -湘南には、どういう印象を持っていた?

 ムルジャ 非常にいいサッカーをしていると思いますし、去年(16年)私も大宮で対戦し、サッカーの一体感を感じていました。湘南にとって、J1に昇格した初年度(15年)いい成績を収めたと思いますけど、16年は降格することになって、厳しいシーズンだったと思う。また今年、非常にいい成績を残していると思いますので、一緒に昇格したいと思います。

 -初日の練習の感想は

 ムルジャ 選手が非常に温かく迎えていれてくれたので、感謝しています。チームがまとまっていて、選手たちも1つになっている印象です。

 -移籍は簡単な決断ではなかったという。決め手は何だったのか?

 ムルジャ やはり大宮を離れる決断をするというのは、私にとって非常に難しかったんですけど、その中で一番大きな決め手となったのは、湘南がJ1に昇格するに値するチームだと思ったから。そして、私が入って昇格させるんだと思えたから、ここに来ることを選びました。下位のチーム…J2で残留争いしているようなチームからのオファーだったら、やはり受けられなかったと思うし、湘南はJ1に上がる能力、力があると思ったからです。

 -大宮時代の15年以来のJ2の戦い。イメージは

 ムルジャ 非常に厳しく、タフなリーグだと思っています。試合数も多いですし、チーム間の力の差もありませんし、どのチームがどのチームに勝ってもおかしくない。私たちは自分たちのことに集中して1試合、1試合、全力を出していくことが非常に重要になると思いますし、私自身も先のことを考えず、目先の試合で自分の全てを出し切れるように頑張りたい。

 -大宮時代の16年10月22日の試合で2点決めて、湘南をJ2降格に追い込んだ

 ムルジャ もちろん、覚えています。私が、ここに来たので、そこはしっかり謝罪して、ベルマーレのためにゴールを決めたいと思います(苦笑い)

 -それはジョークとしても、点を取ることが求められている。意欲は?

 ムルジャ 私のゴールというよりも、やはりチームの勝利が最優先だと思っていますし、チームが勝つために何をしなければいけないのかを、しっかりとやっていきたい。FWですので、もちろん点を取るのが仕事なのは理解していますし、私以外のここにいるFWもそこを理解しています。

 -湘南ではアグレッシブな守備も求められる

 ムルジャ 特別、そこへの意識はない。大宮でも守備をしっかりやるというのはあったし、日本のチームのほとんどが、FWからしっかりした守備をやっている。違和感はないし、今までどおりやるだけです。監督から要求されることを、しっかりやっていきたい。

 -今季、体調が悪くて出遅れた。コンディションは

 ムルジャ 今年は確かに試合数からみたら(出場は)少なかったですけど、コンディションは決して悪くない。この4、5日間、チームとトレーニングしていなかったので、まだまだ完璧とは言えないですけど、ここから上げていこうと思っていますし、出られる最初の試合に向け、いい状態に持っていきたい。

 -湘南は選手を成長させるクラブとして定評がある。思い当たるところは?

 ムルジャ 練習初日なので、そこについてどう、ということはないですけど、私自身は年齢に関係なく成長できると思っていますし、もっと成長して、いい選手になってチームに貢献していくというモチベーションがあるので、ここでしっかりトレーニングして成長していきたい。もちろん、私は昇格に貢献するために来たと思っていますので、役割をしっかり果たせるようにやっていきたい。

 -言葉は

 ムルジャ 英語をしゃべれる選手も何人かいますので、その部分では自分も助かっています。それ以外のところでは(セルビア語の)通訳がいますし。

 -サポーターにひと言

 ムルジャ サポーターの皆さん、初めまして。スタジアムで皆さんに会えることを楽しみにしています。そして最後は勝利で喜びあいたい。

 登録の事情で、最短で出場可能となる7月22日のモンテディオ山形戦(NDスタ)を目標に、ムルジャは調整とチームへの適応を急ピッチで進める構えだ。【村上幸将】