矢板中央がフットサルとの「二刀流」で6大会ぶりに8強に進出した。前半15分、CKからMF稲見主将の2戦連発弾で先制。放ったシュート4本の4倍近い15本を浴びながら、体を張った守備で無失点に抑えた。

 春の栃木県新人戦、夏の全国総体県予選と攻守がかみ合わず、ライバルの真岡に敗れた。チームは進む方向を見失い、稲見も主将として悩んだ。そんな時、高橋監督が、稲見をコーチ兼選手に任命し、公式戦の出場機会が少ない2年生主体で全日本ユース(U-18)フットサル大会出場を勧めた。すると県大会、関東大会を勝ち抜き、8月の全国大会で優勝。体を張る守備、速い攻守の切り替えが研ぎ澄まされ、サッカーでも「堅守速攻」がよみがえった。稲見は「フットサルで原点を思い出せた。苦しい経験があった分、今、結果が出ている。ここから1戦1戦、頑張りたい」と話した。