北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロビッチ新監督(60)が13日、札幌市内で行われたキックオフイベントに登場し、札幌サポーターと初対面した。「非公開練習はしない」と宣言し、集まったサポーターからの期待を感じながら士気を高めた。チームはこの日で札幌・宮の沢での練習を打ち上げ、明日15日から沖縄で1次キャンプをスタートさせる。

 ペトロビッチ監督の登場に、会場に集まった4596人の札幌サポーターが盛り上がった。広島、浦和で実績を残したミシャが札幌を率いる-。その実感が沸いてきた。ステージ上でサポーターの視線を浴びた指揮官も同じだった。イベントを終えると「あれだけのサポーターが集まってくれるとは正直思っていなかった。期待が高まっている証拠。心から応援してくれている」。エールを受け止めていた。

 サポーターは、いつでもウエルカムだ。「非公開練習はしない。(これまで広島、浦和でも)トレーニング場は常にみんなが見られるようにしている」と話した。サポーターの練習見学は、大歓迎。前日12日の就任会見でも、報道陣に向かって「いつでも宮の沢に来て」と同じ呼び掛けをしていた。隣にいた野々村社長に「やり過ぎたら止めます」と、制止を受けるほどだった。

 練習公開宣言は、質問コーナーでMF菊地から「あの独特なサッカーはいつ生まれたんですか?」と聞かれた時に、かわす? ように飛び出たもの。核心に迫る、ミシャ流攻撃的サッカーの誕生秘話は披露されなかった。「トレーニングを重視している」と話すとおり、全ては「練習」の積み重ねというメッセージ。むしろサポーターにも、選手が試合に向けて汗を流す姿を見てもらいたいと考えている。

 いよいよキャンプが始まる。「『しっかり走って、ボールを使ってしっかり考える』をテーマにしたい」。初日15日は移動疲れを取りながらの軽い調整になるが、2日目からボールを使った本格的な練習を開始する予定。イベントの最後のあいさつでは、約束もした。「このチームならば、必ずいい結果を残し、いいゲームをし、素晴らしいシーズンだったと言える。サッポロビールで乾杯できる」。喜びを分かち合う日は、しっかり頭の中に描かれている。【保坂果那】