北海道コンサドーレ札幌はホームでガンバ大阪に2-0で快勝した。前半39分、MF深井一希(23)が左足ボレーで先制ゴール。後半27分には、FW都倉賢(31)がゴール前の混戦からオーバーヘッドで2点目を奪った。都倉のゴールは自身のJ通算100点目、チームのJ1通算250点目の節目となった。クラブ記録を更新中のJ1不敗は2桁10試合まで伸び、順位は3位をキープした。

 試合を決定づけたのは、やはりこの男だった。札幌の波状攻撃が続いていた後半27分。ペナルティーエリア右のMF駒井が、柔らかいクロスをゴール前に上げた。待ち構えていたFW都倉は右足をめいっぱい伸ばし、オーバーヘッド。ボールは美しい放物線を描いて、ゴールに吸い込まれた。「ダメもとでボールに当てたらしっかりゴールに入った」。4月7日ホーム名古屋戦の再現のようなビューティフルゴールで“聖地”厚別での7連勝を引き寄せた。

 今季5得点目となる3戦ぶりの1発は自身J通算100ゴールとなった。08年J2草津(現J3)の初得点から11年かけて積み重ねてきた。長い道を振り返り「まさかできるとは思わなかった」。14年には前所属神戸から海外移籍を目指したが断念した。「人生は思い描いた通りにはならない。夢が破れて札幌に来たけどこんなに活躍できるとはイメージできなかった」。札幌入り後に積み重ねたJ1、J2のリーグ戦ゴールは「60」。在籍9年目のFW内村を抜き、5シーズン目でチーム単独トップに立った。

 ピッチには「勝利の女神」がいた。この日は溺愛する8カ月の長女を抱っこして入場。鳥栖との昨季最終戦が最初で「これをやった時は全部ゴールを決めてる。娘のおかげかな」と笑う。試合直前までリラックスでき、良い精神状態で臨めている。5月5日は「こどもの日」。試合を決める1発は、愛娘へのプレゼントでもあった。

 10試合連続で勝ち点をつかみ、クラブのJ1記録をまた更新した。順位もACL圏内となる3位をキープ。「負けないことで次の準備もポジティブにできる。課題はあるので修正したい」。好調なチームの中心にいる背番号9のゴール量産は、まだまだ止まりそうにない。【西塚祐司】

 ▼札幌FW都倉は後半27分のゴールでJ1、J2通算100ゴールとなった。川崎F(05~08年)では0得点だったが、J2草津(08~09年)で26得点、神戸(10~13年)で14点(J1で12点、J2で2点)、札幌で60点(J1で14点、J2で46点)。また、札幌はこの日の2得点でJ1通算250得点。

 ▼札幌厚別での成績 JFL時代の96年(9戦9勝)97年(12戦12勝)は21連勝と負け知らずで「聖地」と呼ばれた。その後も00年(J2)は第10節湘南戦から第29節湘南戦まで11試合、06年(J2)第39節水戸戦から08年(J1)第18節神戸戦まで15試合と2度、10試合以上無敗を記録している。