〈天皇杯:川崎F3-2ソニー仙台〉◇6日◇2回戦◇等々力

 川崎フロンターレが、0-2からのヒヤヒヤ逆転勝利でソニー仙台を下した。エースFW小林悠(30)は離脱中で、MF中村憲剛(37)、FW大久保嘉人(36)のベテランはベンチ外。司令塔のMF大島僚太は日本代表で不在だった。

 各選手が「内容も結果も圧倒したい」と意気込んで臨んだ一戦。立ち上がりから数多くの好機をつくるも、決めきれずにいると、逆にソニー仙台にミスを突かれカウンターを浴びた。前半だけで2失点。ハーフタイムにはサポーターから激しいブーイングを浴びた。DF谷口彰悟(26)は「難しいゲームになるとは思っていたけど、自分たちのせいで想像以上に難しくなってしまった。ブーイングを浴びるほどのゲームだと受け止めていた。1人1人、スリッピーなグラウンドにアジャストできてなく、トラップやパススピードを調整できなかった。そこから相手の激しいプレッシャーに食われてしまった」と猛省した。

 ハーフタイムには「0-2から、焦らずに1点ずつ返すこと」を確認し、後半から猛攻を仕掛けた。延長戦も覚悟していたが、後半44分にMF家長昭博(31)のミドル弾でなんとか90分で勝ちきった。谷口は「正直、ほっとしています。90分でしっかり3点返せたのは、意地をちょっと見せられた。でも本当はこんなゲーム、見せたくなかった」と笑顔はなかった。

 後半7分に反撃ののろしをあげるヘディング弾を決めたFW長谷川竜也(24)は「ブーイングされるのは、期待に応えられてないサッカーをしていたということ。後半は絶対に巻き返そうと」と振り返った。家長の決勝弾で延長戦を回避し、長谷川は「疲れていたし、延長戦だけは嫌だった。アキさん(MF家長)が決めてくれるだろうと思っていた。アキさんさまさまです。でも、こんなふがいない試合をしてしまったので、反省しなくてはいけない」と気を引き締めていた。