鬼門突破で19年シーズンの好スタートを切る。コンサドーレ札幌が今日23日、今季開幕戦となるアウェー湘南戦(ShonanBMWスタジアム)に臨む。22日、最終調整を終えたミハイロ・ペトロビッチ監督(61)は、キャンプでの手応えを口にし、01年以来遠ざかるクラブのJ1開幕戦勝利を誓った。昨季クラブ史上最高4位に導いた手腕を発揮し、再び歴史を変えるためのシーズンの幕開けを、白星で飾る。

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シーズン幕開けの準備は整った。ペトロビッチ監督の表情は、そう言わんばかりだった。開幕戦前日、神奈川県内での最終調整で、選手に指示を出す姿は最後まで見せなかった。ピッチ脇に1人腰掛け、セットプレーなどを、静かにじっと見守っていた。「いよいよ始まるなという気持ち。たくさんの人が開幕を待っている。私も非常に楽しみ。“ジンクス”を打ち破りたい」。言葉に力を込めた。

02年、広島に1-5で大敗を喫してから、ジンクスが続いている。J1での開幕戦勝利は01年のただ1度だけ。昨季を含めた直近4シーズンは、ゴールネットを揺らすことすらできていない。沖縄キャンプ中だった今月11日、指揮官は自ら語っていた。「聞いたところによると、札幌はこれまで開幕戦を勝てていない過去の結果がある。ポジティブな結果で、その後の自分たちが戦いやすい状況を生み出していけたら」と。

チームの仕上がりには、自信を持っている。「我々はいい準備ができたと思っている」。特に重点を置いたのはボールを失った後の切り替え。昨年のルヴァン杯覇者でもある湘南は「基本的に走って戦ってくる。積極的な守備からカウンターも狙ってくるチーム」と分析。攻守の切り替えで、相手の得意な攻撃パターンをつぶすつもりだ。キャンプ中に公開した対外試合6戦では4勝1分け1敗。実戦の結果も伴っている。

余裕すら感じさせた。報道陣にポケットから取り出したあめ玉を配りながら「新シーズンが始まるということで幸運のあめを。甘いシーズンになるように」と、ジョークを飛ばした。昨季はアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権まであと1歩に迫る4位。上位進出を“健闘”と見る人は、もういない。そんなプレッシャーを背負いながら、今季も掲げる超攻撃的サッカーのタクトを振る。【保坂果那】