新潟が白星スタートを切った。伊賀に1-0で競り勝った。後半6分、MF園田瑞貴(22)のボレーシュートで先制。昨季リーグ戦チーム最多タイの5得点を挙げたエース候補の1点を粘り強く守った。12年以来7年ぶりに指揮を執る奥山達之監督(43)の復帰初戦で勝ち点3を獲得した。次節は24日、長野とアウェーの長野Uスタジアムで対戦する。

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両腕を翼に見立てて走るパフォーマンスで、園田は喜びを表現した。ライン際で待ち構えたサブメンバーと笑顔で抱き合う。そして奥山監督の胸に飛び込んだ。

今季のチーム第1号ゴールは勝ち点3に直結した。後半6分、MF佐伯彩(29)の左からのクロスに合わせて中央に走る。「オフサイドにならないように気をつけた」。少し減速しながら落ち着いてタイミングを合わせ、左足で浮かせ気味のボレー。ボールは伊賀のGK井指楓(27)の頭を越えて、ゴールマウスに吸い込まれた。

「マウスの上が空いていた」としっかり状況を把握した技ありの1本。ハーフタイムで奥山監督から指示を受けた。「前半は外に張りすぎていた。入り込んで中のスペースを狙うように」。指揮官の言葉を忠実に体現した。

何より意識していたのが「仕掛ける」こと。ボールを持ったらゴールに向かう。この試合、伊賀が15本のシュートを放ったのに対して、新潟はわずか3本。そのうち2本は園田。最初のシュートで得点した。今季入団3年目。ルーキー時代から貫いている攻撃的なスタイルの精度は上がっている。

開幕戦を自身のゴールで勝利に導き、「ホームの応援の中で決められてうれしい」と素直に喜んだ。昨季はリーグ戦で5得点。MF阪口萌乃(26)と並んでチーム最多だった。今季は「10点以上取りたい」とゴール倍増をもくろむ。その先にあるのは、チームが掲げるタイトル獲得。目標達成の第1歩を最高の形で踏み出した。【斎藤慎一郎】

◆園田瑞貴(そのだ・みずき)1996年(平8)11月21日生まれ、京都府出身。京都精華女高3年時に全国高校総体準優勝。武蔵丘短大に進み、15年にU-19日本女子代表入りしてU-19アジア女子選手権で優勝。17年に新潟加入。今年1月、日本女子代表候補合宿に参加。164センチ、52キロ。背番号7