昨年度準優勝のベガルタ仙台が「師弟対決」で1-2の敗戦を喫し、2年連続8強を逃した。

08年から13年まで指揮を執りJ1に昇格、定着させた手倉森誠監督(51)率いるJ2V・ファーレン長崎を崩せず苦戦。渡辺晋監督(45)はコーチ時代に共闘した恩師との公式戦初対決で勝って恩返しはできなかった。

0-1の後半41分、途中出場のFWハモン・ロペス(30)が起死回生の同点ゴールを奪った。右サイドバックのDF蜂須賀がクロス。ペナルティーエリア内で待っていた背番号9の前にボールが流れ、右足で流し込んだ。「難しい状況で自分がたくさん動き、ボールをもらうか周りが持てる場面が増えればと思った。得点しても勝てなかったことが悔しい」。同点からわずか1分。準々決勝が遠のく勝ち越し弾を浴びた。渡辺監督は「仮にサッカーに判定があったとしても長崎のゲーム」。手倉森監督は古巣仙台戦について「(仙台が)白いユニホームでリラックスできた。金色は着てほしくないと思っていた」と話した。

手倉森監督は仙台1年目からJ2で3位と結果を残してきた。2年目でJ2優勝、天皇杯4強と躍進した。12年にはJ1でクラブ最高の2位。初のACL出場にも導いた。仙台の礎を築いた男に敗れる悔しい結末。リーグ戦残り8試合は全力で駆け抜ける。【山田愛斗】