最下位のジュビロ磐田は本拠地ヤマハでFC東京に0-1で敗れ、ホーム10戦勝ちなし(3分け7敗)となった。前半から訪れた決定機を逃すと、後半8分に決勝点となるPKを決められた。首位争いを演じる相手に善戦したが、必要な勝ち点3は得られず。10日に行われる鳥栖-松本戦の結果次第では16位以下が確定し、J1自動残留の可能性が消える。

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現実は甘くなかった。J2とのプレーオフに回る16位湘南と勝ち点6差で迎えた東京戦。勝てばJ1残留に希望が広がる一戦だったが、結果は0-1。DF大井健太郎主将(35)は「(内容が)良かった悪かったではなく、結果を出さなければいけななかった」と、厳しい表情で振り返った。

0-0の前半42分。FWルキアン(28)が、反転から右足で狙った。同44分にも、こぼれ球に反応したMF松本昌也(24)が右足ボレー。だが、いずれもGKの好セーブに阻まれる。後半27分、FW大久保嘉人(37)が放った左足シュートもゴールの枠に嫌われた。

シュート数では7-6と上回り、決定機の数でも1歩も引かなかった。ただ東京は、後半8分にPKで着実に得点。MF藤川虎太朗(21)は「焦ってしまった…」と、前半に左クロスを合わせきれなかったシーンを悔やんだ。首位争いを演じる相手とのわずかな差が、大きな差となって重くのしかかった。

10日に鳥栖が勝った場合にはJ2とのプレーオフに回る16位以下が確定するなど、背中には2度目のJ2降格が迫る。それでも、フェルナンド・フベロ監督(45)は「少しでも可能性がある以上、戦う姿勢は変えない。その先に良い結果が待っていると思っている」。大井も「しっかり勝って、最終節まで(残留の)望みをつなげられるようにしたい」と声を振り絞った。次節のアウェー札幌戦は、2週間後の23日。奇跡を信じて準備するしかない。【前田和哉】