【チェンマイ(タイ)19日=西塚祐司】母国のために活躍を続ける。コンサドーレ札幌のタイ代表MFチャナティップ(26)はチームがオフのこの日、地元の小学生260人を対象として行われたサッカー教室に若手選手とともに参加した。

タイキャンプでは現在、右膝を痛めている状態だが、子どもたちとの触れ合いでパワーをもらい闘志を新たにした。

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さすがタイの英雄だ。太陽が照りつける中で行われたサッカー教室。気温は30度近くある。チャナティップはピッチに姿を現すと、小学生260人に盛大な拍手で迎えられた。6カ所に分けられたグループをすべて回った。止まることがない写真、サイン、ハイタッチ攻めにも応じ、全員と直接交流。ボールを持てば得意のドリブルを披露して一緒に汗を流した。

原点回帰となった。自身も子どもの頃にサッカー選手に会い目標とした。「気持ち的にすごいわかる」。今度は自身が夢を与える番となる。「たくさん練習して良い選手になれるように期待している」。参加したショナリン・ニムヴィアピンくん(小学4年)は「サッカーの技術を学べて幸せ。将来はチャナティップ選手みたいになりたい」と目を輝かせた。

休むわけにはいかなかった。16日の練習でシュートの時に地面を蹴ってしまい右膝を痛めた。17日からは練習を休み、18日の今季初練習試合も欠場した。チェンマイ市内では日本のプロチームがイベントを行うことは珍しく、札幌としても初めての試み。疲労は少しあったが「このような活動ができてすごくうれしいよ」と笑顔で振り返った。

今後の練習参加は、患部の様子を見ながら決めていく。リーグ戦では18年は8得点、19年は4得点だった。今季は再び成績を上げるために、パスやシュートの判断力を上げ、さらに連携を深めていくことをテーマにしている。「たくさん来てもらって感謝。僕は見本として頑張らないといけない」。母国の子どもたちからパワーをもらい、シーズンに向かっていく。