JA全農杯小学生選抜サッカーIN九州が27日から2日間、長崎県雲仙市で開催され、サガン鳥栖U-12(佐賀)が4年ぶりに王者に輝いた。福岡西フットボールアカデミー(福岡)との決勝戦では先制を許しながらも、後半に5点を奪う猛攻で逆転勝利した。決勝進出した2チームは「JA全農チビリンピック」(5月3~5日、日産スタジアム)で開催される全国決勝大会への出場権を得た。

開始1分で失点した決勝戦のハーフタイム。サガン鳥栖U-12の江頭駿監督から、選手たちにこんなゲキが飛んだ。

「準優勝以上が確定して全国大会出場も決まったのに、力を発揮できないのはどういうことだ。ここで力を発揮できないような選手が、本当にプロになれるのか」

1回戦をPK戦で辛勝。続く準々決勝は1-0、準決勝では無得点のまま延長戦を戦い、大会2度目のPK戦を経験した。緊張のためか思うようにプレーできないチームを見て、江頭監督は「もっとできるのにな」と思っていたという。トップチームがJ1で戦い、U-18やU-15も活躍する鳥栖の下部組織。プロを夢見る集団を目覚めさせるには、この一言で十分だった。

後半は見違えるように動きが変わった。積極的に仕掛けて攻勢に立つと、25分のPKを皮切りに主将の小野禅竜(5年)が5分間で3得点。その後も2点を加え、終わってみれば5-1の快勝劇で全国の切符を手にした。

全国決勝大会へ向け、江頭監督は「いろんな選手に良い経験をさせられると思うので、目の前の相手に力を尽くして勝ち進みながら、子どもたちを成長させていきたい」と抱負を語る。決勝戦で4得点の小野は「優勝を目指したい」と、大舞台に夢を膨らませた。

 

トーナメントの全試合の結果は以下の通り。

<1回戦>

サガン鳥栖U12(佐賀)2-2(PK2-1)ドリームキッズFC(大分)

FCビゴール(福岡)2-1エクセデール長崎(長崎)

山下FC(鹿児島)0-0(PK2-0)たきばる東ジュニア(沖縄)

太陽スポーツクラブ宮崎南(宮崎)1-1(PK2-0)アルマラッゾ熊本Jr(熊本)

福岡西フットボールアカデミー(福岡)2-1FC西崎スポーツ少年団(沖縄)

ソレッソ宮崎(宮崎)4-3大分トリニータU12(大分県)

ソレッソ熊本U12(熊本)5-1大坪少年サッカークラブ(佐賀)

太陽スポーツクラブ国分U12(鹿児島)2-0長崎ドリームFCジュニア(長崎)

<準々決勝>

サガン鳥栖U12 1-0 FCビゴール

山下FC 1-1(PK5-4) 太陽スポーツクラブ宮崎南

福岡西フットボールアカデミー 4-3 ソレッソ宮崎

ソレッソ熊本U12 7-0 太陽スポーツクラブ国分U12

<準決勝>

サガン鳥栖U12 0-0(2PK1) 山下FC

福岡西フットボールアカデミー 2-0 ソレッソ熊本U-12

<決勝>

サガン鳥栖U12 5-1 福岡西フットボールアカデミー

<主催>日刊スポーツ新聞社、九州サッカー協会<後援>日本サッカー協会<主管>九州サッカー協会ジュニア委員会、長崎県サッカー協会第4種委員会<特別協賛>全国農業協同組合連合会(JA全農)<協賛>佐賀県農業協同組合、熊本県経済農業協同組合連合会、宮崎県経済農業協同組合連合会、鹿児島県経済農業協同組合連合会、沖縄県農業協同組合