アルビレックス新潟は劇的ゴールで勝ち点で並んでいた甲府をホームで1-0で破り、2連勝を飾った。スコアレスで迎えた後半アディショナルタイム、後半途中出場のMFロメロ・フランク(34)が左足で決勝点を挙げた。5月5日大宮戦で決めた3連勝を最後に連勝がストップしていた新潟。約4カ月半ぶりの連勝で勝ち点を57に伸ばし、3位をキープした。次節は10月3日、アウェーで金沢と対戦する。

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ベテランが決めた。ロメロは0-0で迎えた試合終了間際、FW谷口海斗(26)が頭で落としたボールにタイミング良く走り込むと、ゴール正面から左足を振り抜いた。「セカンドボールを狙っていたし、落ち着いてミートできた。自分のゴールが勝利につながってうれしい」と2戦連発となる今季5得点目を喜んだ。

ロメロは谷口とともに後半29分から途中出場。アルベルト監督(53)からは「しっかり守備に戻ってから、攻撃に移るように」とピッチに送り出された。その指示通り、守備では最終ラインまで戻って体を張り、攻撃では得意のボールキープ。同じく後半途中出場の左DF堀米悠斗(27)のオーバーラップを引き出し、チャンスを拡大させた。指揮官は「途中出場の選手たちが攻撃のスピードを上げてくれた。全選手を誇りに思う」と拳を強く握りしめた。

勝ち点54で並んでいた4位甲府との「川中島ダービー」は激戦となった。2チームの対決はここまで公式戦48試合で20勝17分け11敗と勝ち越してはいるものの、ここ7戦未勝利(5分け2敗)が続いていた新潟は、序盤からパスを回して攻勢に出る。だが、直近3試合連続で完封勝利していた甲府も5バック気味の守備ラインで対応。「攻・新潟」「守・甲府」の構図は最終盤までもつれ込んだ。ロメロは「厳しい展開となったが連勝できたことは大きい。次に向けていい準備をしたい」と劇的勝利の余韻にひたることなく、次節金沢戦に気持ちを切り替えた。

連勝は第10節愛媛戦(4月24日、2-0)~第12節戦大宮(5月5日、3-2)で3連勝を挙げて以来。長いトンネルを抜けつつある新潟が、J1逆転昇格に向かって上位2チームを猛追する。【小林忠】

▽アルベルト監督「J2で、最も守備が堅いチームが相手。厳しい試合になることは分かっていた。選手たちは勝利のメンタリティーを最後までピッチで表現してくれた」

○…DF田上が今季初先発でフル出場。左右のサイドバックでプレーし、得意のロングスローでチャンスを作った。「ここまで、あまり出場のない自分が活躍することでチーム全体にいい流れが生まれると思っていた。ここから重要な試合が続くので連勝していきたい」。