セレッソ大阪の元日本代表FW大久保嘉人(39)の引退会見が22日、大阪市内のホテルで行われた。スーツ姿で登場した大久保は、第一声から涙があふれ、途中からは号泣した。

若かりし頃には試合中に暴言を吐いたり、退場処分を受けることも多かった。会見の最後には「審判の皆様には迷惑をかけましたので、そこは謝りたいです。もうサッカー選手ではなくなりますが、(今後も)レッドカードはもらわないようにしたい」と語った。

荒々しいプレーが持ち味で、それは日本代表としても同じスタイル。誰よりも勝利にこだわり、誰よりもゴールにこだわった結果が、そうさせた。

会見の途中にも、自らこう切り出している。

「汚いプレーヤーでしたけれど、全然、悔いはないです。サッカーの時と、普段の時の自分は全く違う。サッカーの時の(汚い)自分を貫き通すことができた。(自分自身を)まねしたくないこともいっぱいありますけど、それもサッカー。悔いのないサッカー人生を送ることができた」

さらに「1年目からむちゃくちゃで、(周囲からは)長くサッカーはできないだろうと思われていて、自分でもそう思っていた。まさか39歳までやれるとは、3年連続で得点王になれるとも思ってもいませんでした。自分が考えていた以上のサッカー人生でした」と振り返った。

イエローカードを受けた数はJ1通算104枚で歴代最多、退場12回はストイコビッチの13回に続くワースト2位。

大久保は「退場も多かった。それが自分らしい。サッカーの時だけ負けず嫌いでした」と話した。【益子浩一】

 

【大久保やんちゃアラカルト】

◆暴言退場 プロ3年目でC大阪に在籍した03年11月15日の市原戦。判定が公平ではないとして「金もらってるんだろ」と審判に暴言を吐き、2枚目の警告で退場。同年9月13日京都戦でも「ボケ! かかってこい」と発言し退場。背番号10を付けて16得点を挙げるも気性の荒さが目立った。

◆ベッカムを罵倒 マジョルカに移籍した05年1月24日のRマドリード戦で、MFベッカムと小競り合いになった。興奮したベッカムから「お前、ヒジを使うな!」と詰め寄られると、一触即発の事態に。ブラジル代表のDFロベルト・カルロスが止めに入ったが、大久保は「向こうが何か言ってきたから、言い返してやった」と話した。

◆本田とケンカ 神戸時代の07年4月21日名古屋戦で本田圭佑と対戦。接触した際に乱闘寸前となり「お前、何様や!」。本田も興奮し、試合後は名古屋のロッカー室にまで入ろうとして関係者が仲裁に入った。

◆宇佐美ともケンカ 川崎F時代の16年4月29日G大阪戦。小競り合いになった宇佐美が口を切って流血し「何すんねん!」と抗議すると、その試合で点を決めていた大久保が「点を取ってから言えよ」。