サッカー人生をかけて全力でプレーする。北海道コンサドーレ札幌は13日、札幌市内のホテルで新加入会見を行い、浦和レッズから期限付き移籍で加入した元日本代表FW興梠慎三(35)が決意を語った。背番号は23。浦和時代に5年間ともに戦ったミハイロ・ペトロビッチ監督(64)のもと、新天地での活躍を誓った。

またクラブは22年の契約合意選手29人とスタッフ8人を発表した。指揮官はクラブ史上最長5シーズン目。綿引大夢コーチ(34)と、下部組織と兼任する高木貴弘GKコーチ(39)が新任となる。

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スーツに身を包んだ興梠が引き締まった表情で思いを口にした。「もう1度チャンスをくれるならば、ミシャと一緒にサッカーがしたいとずっと思っていた。そして今回そのチャンスをもらった。自分の体がぶっ壊れてでもチームのために、ミシャのために全力で頑張っていきたい」と力を込めた。

浦和時代、ペトロビッチ監督とともに戦った。「すごく成長させてもらった5年間」という一方で後悔も残っている。17年7月29日の札幌ドーム。昇格組だった札幌相手に0-2で5年ぶりの敗退を喫し、翌日監督は解任された。「その時のことは今でも忘れません。なぜもっと自分がチームに貢献できなかったんだろうと、毎日悔やむ日々を送っていました」と振り返る。

札幌加入決定後は指揮官と数回テレビ電話で話す機会があった。「決まってからは素直にミシャも喜んでくれていた。またこの人と一緒に仕事ができる。すごく今は楽しみです」と胸を膨らませる。

元日本代表のベテランストライカーの経験と技術は折り紙付きだ。12~20年まで9年連続で2ケタ得点。J1通算459試合で158得点は、昨季限りで現役を引退した大久保嘉人氏(39)の191得点、佐藤寿人氏(39)の161点に次ぐ歴代3位で、現役では最多になる。

北海道の印象について「寒いです」と苦笑いする。来年1月31日までの期限付きでプレーするプロ18年目。「1年目みたいな気持ちで戦いたいと思うし、ミシャが監督ということで2度と同じような目にあいたくないと思っている。自分のサッカー人生をかけてでも全力で戦いたい」。会見後のトークイベントではサポーターの前で赤黒のユニホーム姿を披露した背番号23が、その思いを表現する。【山崎純一】

○…大卒の新加入選手2人が決意を新たにした。筑波大から入団する井川空(21)は興梠とともに会見に出席。「チャンスがある限りトライし続けて常に札幌の勝利を考えてプレーしていきたい」。体調不良により欠席した立正大の田中宏武(22)はクラブを通じ「応援してくれるたくさんの人たちに勝利を届けられるプレーをしていきたい」とコメントした。

○…この日イベントを前に、主将のMF宮沢裕樹(32)らが北海道神宮で必勝祈願を行った。チームを代表して祈願に訪れた宮沢は「毎年この必勝祈願になると今年が始まったなというふうに思う。チームの目標を達成できるように1年頑張っていきたい」と意気込んだ。