J3沼津が劇的勝利で歴史を刻んだ。3-2でJ2仙台に逆転勝ちし、同大会初勝利を挙げた。

後半9分、自陣右サイドを崩され、クロスからの折り返しを押し込まれて、先制点を献上。ロングボールに揺さぶられた守備陣の対応が遅れた。それでも、攻めの姿勢を貫いた。

中山雅史監督(56)は1点を追う同22分に選手3人を同時に交代。元日本代表FW斎藤学(33)もピッチに送り込んだ。斎藤は昨季まで所属していた古巣との一戦で左サイドハーフとして途中出場。流れを変える切り札としてピッチに立った。

同34分にはクロスのこぼれ球をMF徳永晃太郎(27)が右足ボレーで押し込み、同点。再びリードを許した同42分にはMF沼田航征(22)が同点ゴールを押し込むと、最後にドラマが待っていた。

ロスタイム。左サイドでボールを受けた斎藤がドリブル突破。右足でクロスを上げると、折り返しでこぼれてきたボールをDF浜託巳(27)が右足で押し込み、決勝点。会場も総立ちで歓喜した。殊勲の決勝点を挙げたヒーローは「最後まであきらめないで戦ったことが勝利につながった。あそこにくると思って走った結果がゴールにつながった」と声を弾ませた。

大会方式が変わった今年からJ3クラブがルヴァン杯に出場。中山監督も「最後まであきらめなかったことが全て」と初勝利をたぐりよせた選手たちをたたえた。2回戦はJ1札幌が相手。リーグ戦でも開幕連勝と勢いに乗る沼津が次戦も下克上を狙う。【神谷亮磨】