17年ぶりに頂点からの景色を眺めた。J2ベガルタ仙台がJ2カターレ富山をPK戦の末に破り、40クラブで争ったJ2・J3百年構想リーグ優勝を飾った。前半30分、FW中田有祐(22)のヘディング弾で先制。しかし終了間際に同点とされ、15分ハーフの延長戦でも決着付かず、PK戦までもつれ込んだ熱戦を制した。09年のJ2優勝以来となるタイトルを獲得し、6季ぶりのJ1復帰に弾みをつけた。新たに秋春制に移行するJ2の26-27年シーズンは、8月8日に開幕する。
◇ ◇ ◇
120分戦っても同点のまま、優勝の行方はPK戦に持ち込まれた。仙台は5人目のキッカーMF南創太(19)のシュートがゴールネットを揺らすと、イレブンはピッチを駆けた。森山佳郎監督(58)は「みなさん、おめでとうございます!」と、サポーターの大歓声に応えながら笑みを浮かべた。そしてシャーレを掲げ、喜びを分かち合った。
昨年11月、最終節のいわきFC戦で敗れ、J1昇格への道が断たれ、涙をのんだ。スコアは0-1。最後まで得点力を欠き、指揮官は「今季を象徴するような試合になってしまいました」とうなだれた。
屈辱から約1カ月後の今年1月の結団式。8月から始まるリーグ戦に向け、特別リーグで力を蓄えるために「これまでと大きなチェンジ。個人の大きな成長、チームの進化をしていきたい」と決意を口にした。
1月中旬の宮崎キャンプから得点力向上を狙い、3バックの新システムへの試み、新戦力8人を迎えてチーム力の底上げを図った。百年構想リーグでは破竹の勢いで、開幕から13連勝。グループリーグ計18試合で11勝5PK勝2敗の勝ち点43でEAST-Aグループを首位通過。「シーズン通して積み上げてきたからこそ、ホームで決勝戦を迎えられた」と各グループ1位で争ったプレーオフも制し、大きな手応えを得た。
若手の起用も積極的に取り組んだ成果も表れて、ヤングリーダーを務める中田が先制弾。しかし、前半41分に退場者を出し数的不利の富山に終了間際に追いつかれた。頼れる守護神・林彰洋(38)の好セーブもあり、苦しみながらPK戦を制した。森山監督は「ある意味ハッピーだけじゃない。手放しで喜べない形で終わったのが、逆説的ですけど良かったのかな」と結果に満足せず、さらなる進化を求めていく。
特別リーグは結果ともに、その過程でも大きな収穫があった。6季ぶりのJ1復帰へ、森山監督は「しっかりここからの1カ月、選手たちにはこのチームに留まってもらって、J1昇格に向けて頑張りたいと思います」と誓った。【高橋香奈】
∇仙台FW中田(前日5日に誕生日を迎え、前半30分に先制ヘディング弾)「誕生日ということよりは、大学の全国大会決勝でも決めていて、(決勝は)得意なイメージがあった。なんとか決めれればと思っていたので、本当に良かったです」
【PK戦結果】
仙台 4-2 富山
○菅田 - ○坪井
×安野 - ○布施谷
○五十嵐 - ×松岡
○古屋 - ×実藤
○南



