有森裕子さん涙浮かべ「私は幸運だった」小出氏悼む

小出義雄監督逝去の報を受けて、愛弟子で女子マラソン92年バルセロナ・オリンピック(五輪)銀、96年アトランタ五輪銅メダルの有森裕子さん(52)が24日、都内で取材に応じた。

今年3月の名古屋ウィメンズマラソンで会ったのが最後だったという。体調がすぐれないことは知っていたが「お元気で、指導する選手のことなど30分くらい話をしました。写真も一緒に撮りました」と話した。

リクルート所属時代に2人のコンビで多くのレースに出場した。最も思い出に残っているレースはアトランタ五輪。直前の米国の高地合宿で5000メートルを2本走ったが調子が悪く、タイムが上がらなかったという。「誰が見てももうやめとこうという状況でしたが、監督は“五輪で頑張るために、どんなにタイムが落ちてもいいからもう1本いこう”と。あの練習で3本目をこなして“できた”とまじまじ言ってくれたことを思い出す」と振り返った。

現役時代、有森さんは故障も多かった。そんなときにかけてくれた小出監督の言葉が強く印象に残っているという。「“何で”故障したのかと思うな。“せっかく”故障したんだから、と考えろ。物事に意味のないものはないと。あの言葉で立ち向かえた」。衝突することも多かったが「よく我慢してくれて、しっかりと向き合ってくれました。待って、信じて、育ててくれました。私は本当に幸運だったと思う」と、目を真っ赤にして天国の恩師に感謝の言葉を述べた。

その他の写真

  • 会見で有森さんは目に涙を浮かべながらも笑顔で故小出さんとの思い出を語る(撮影・垰建太)