男子メートル予選で、日本人の母を持つマイケル・ノーマン(23=米国)が6組を走り、45秒35の2着で準決勝へ進出した。

6月の全米選手権を優勝して代表に決まり、自己記録は43秒45の金メダル候補。「まあまあかな。2着で満足ではないけど、いい経験になった。改善するポイントが見つかったよ。この機会で走れることが幸せだね」と笑顔だった。今後へ向けては「周りの選手も(タイムを)上げてくる。それに合わせて自分も上げていくことが大事」。そうリラックスした雰囲気で話した。

頭に巻いているバンドもトレードマーク。東京五輪は初めての五輪というだけでなく、特別な思い入れを持っている。

母は静岡・浜松市出身の伸江さん。入野中時に100メートルで、日本中学生女子初の11秒台をマークし、11秒96の元中学女子の日本記録保持者だ。西遠女子学園高を卒業後に米国に留学し、その後に移住の道を選んだ。そこで結婚した米国人の短距離の選手との間に生まれたのがノーマンだ。生まれは米カリフォルニア州。大会の前には「もちろんアメリカを代表していることになるんだけど、それと同時に日本にいるファミリーの思いも背負って走るんだ」とも話していた。

自分が生まれた国のユニホームを着て、母の祖国を走るノーマン。2つの国の思いを背負って、頂を見据えている。