駒澤大の篠原倖太朗(3年)が1万メートルで27分43秒13をマークし、日本人学生歴代4位の好タイムをマークした。同大の先輩、鈴木芽吹(4年)が2年時だった21年の日本選手権で27分41秒68を記録しており「やっと追いついた。ちょっと悔しい部分もありますけど、とりあえず追いつけたのはよかった」と手応えを口にした。

夜が深まり、グッと冷えこんだ熊本・えがお健康スタジアム。篠原は外国人選手に食らいつき、上位でレースを進めた。ただ、最終的に4位でフィニッシュすると、トラックに膝をつき、拳を地面にたたきつけた。

「学生とかのカテゴリーじゃない。走る前から2番でいいなんて思っていない」

判然とした口調で、思いを言葉にした。

篠原は今年に入り、好調を維持している。2月5日の香川丸亀国際ハーフマラソンで日本人学生新記録を樹立すると、3月12日の日本学生ハーフマラソンでも優勝を収めた。

その2つの大会の間には、米国アルバカーキで駒澤大の2学年先輩の田澤廉(22=トヨタ自動車)らと合宿に参加。そこでの練習法を参考にし、新たに150メートルの短距離走を練習メニューにとり入れるようにした。「ハーフはある程度走れるので、最近はスピードを高めています」。強くなるために必要な力を分析し、実践している。

目指しているのは、エースとして駒大を大学駅伝3冠に導いた田澤のような存在になること。

「やっぱり田澤さんが今まではいて、そういうところを目標にしているので、(今は)まだまだかなと思います」

偉大な先輩に近づくべく、真摯(しんし)に強さを求め続ける。【藤塚大輔】