陸上男子800メートル元日本記録保持者でクラブチーム「TWOLAPS」の代表を務める横田真人コーチ(38)が7日、取材に応じた。4月から正式に門下生となった女子同種目日本記録保持者の久保凛(18=積水化学)の魅力や今後の強化方針などを語った。
昨年9月の世界選手権東京大会でも注目となった期待の中距離ランナーには「焦らずにやらせてあげたい気持ちがある。長くアスリートとして結果を出し続けてほしい思いもある」。一方、「正直、スプリントもロングもいけるので、可能性が多すぎて逆に困る。何でもできちゃう感じ」。潜在能力の高さに驚いた。
「陸上の格闘技」と言われる800メートルでは、400メートルトラック2周を走りきるスタミナや、終盤のスプリント力、勝負の駆け引きに必要なメンタルや頭脳など総合力が問われる。
3月中から久保の練習を見てきた横田コーチは「器用だし、今のところあまり欠点がないのが強み」と言う。さらには「走り出すと目の色が変わる」と表現するようにメンタル面と競技に向き合う姿勢も評価している。
2人の出会いは2024年冬。高校2年時の久保が同クラブに興味を持ったことで、父と東大阪大敬愛高の野口雅嗣監督から紹介を受けたという。
「世界のトップを目指すからにはしっかりやる」。同種目で44年ぶりのロンドン五輪代表となった男は、陸上界の未来を背負う少女とそんな約束をかわした。
国内外でも注目度が低かった800メートル。しかし今、男子では日本記録保持者の落合晃(駒大2年)が世界の壁に挑んでいる。
上昇気流に乗りながら女子の第一線を走る久保には横田氏も「うらやましい。また、『久保さんを超えよう』という選手が出てきてくれば日本の中距離も活性化していく」と明るい未来も描く。
オリンピアンと二人三脚で歩む28年ロサンゼルス五輪への道。横田コーチの存在に、久保も「改めて陸上を好きになる。楽しいなって思えるのは、横田さんの指導があってのことだと思う。だからこそ、もっと頑張っていきたいなって思わせてくれる」。
新たな挑戦の幕開けに横田コーチは「本当に世界のトップを目指せる選手だと思っている。でも、まだ18歳なので焦らずに。いろんな失敗もすると思う。そういった中で一緒に成長していきたい」と話した。【泉光太郎】

