体重無差別で争う大会が行われ、3年連続の顔合わせとなった決勝で25歳の山部佳苗(ミキハウス)が27歳の田知本愛(ALSOK)に一本勝ちし、2年ぶり3度目の優勝を果たした。

 全日本柔道連盟は大会終了後に報道陣に公開で強化委員会を開き、2番手だった山部を初の五輪代表に選んだ。3日に決まった6階級と合わせ、女子は代表7人が出そろった。

 山部は決勝で積極的な闘いぶりを展開。左膝を負傷した相手を終了間際に隅落としから横四方固めでの合わせ技で仕留めた。田知本は2大会続けて五輪代表を逃し、70キロ級で妹の遥(ALSOK)との同時出場も実現しなかった。

 3位は梅津志悠(三井住友海上)と市橋寿々華(大阪府警)。ロンドン五輪78キロ級代表で3年前の覇者、緒方亜香里(了徳寺学園職)は準々決勝で梅津に敗れた。

 ▽山部佳苗の話 決勝は自分ができる全てをここで出そうと、前に出るしかないと思っていた。五輪ではもっともっと攻める柔道で金メダルを目指して頑張る。一歩ずつ進んでいきたい。

 ▽山下泰裕・全日本柔道連盟強化委員長の話 相手が脚を痛めたとはいえ、今回の内容ならば山部だろう。監督、コーチも全員一致だ。気持ちが少し弱いところがあるが、いいところを出し切れば金メダルも狙える。

 ▽南條充寿・日本女子監督の話 田知本のけがは関係なく、今日の試合内容と結果を見て山部に決まった。好調だった2年前の勢いはまだ戻っておらず、再び到達できるように準備させたい。

 ▽山部佳苗(やまべ・かなえ=女子78キロ超級)15年世界選手権3位。全日本女子選手権を3度、全日本選抜体重別選手権を2度制した。世界ランキング12位。得意は払い腰。北海道・旭川大高、山梨学院大出。ミキハウス。172センチ、108キロ。25歳。北海道出身。