3連覇を果たした大崎電気のGK木村昌丈(26)は「チームの状態は良かったです。勝てると思っていました」と好セーブ連発に笑顔を見せた。7メートルスローを含め16本のシュートをストップ。特に左右サイドからのシュートには抜群の反応を見せた。

 昨年12月の日本選手権以来、3カ月ぶりの実戦だった。1月24日に右膝の軟骨を除去する手術を受け、練習に復帰したのは2週前。ぶっつけ本番で「痛み止めの座薬を入れて、状態は最悪だった」と話した。それでも、試合に出れば「守護神」の働き。木村からの速攻も次々と決まった。

 来年の世界選手権出場権をかけた1月のアジア選手権は欠場した。「(ダグル・シグルドソン)監督からは来てくれと言われたけれど、プレーできないと思った」。チームはベスト4に入れず、世界キップ獲得に失敗。「病室のベッドで見ました。悔しかった」。

 88年ソウル五輪以来の出場となる東京五輪まであと2年。「また呼んでもらえれば、そこで頑張る」と話した。世界選手権出場を逃して五輪本番まで強化のチャンスは限られるが「与えられた環境でやるしかないですからね」と木村。一昨年、昨年と2年連続プレーオフでMVPに輝いた大崎の守備の柱は、日本の守備の要として話した。