日大アメリカンフットボール部の選手が、関西学院大の選手を悪質な反則で負傷させた問題で、関東学生連盟が29日に臨時理事会を開き、日大の内田正人前監督(62)と井上奨(つとむ)前コーチ(30)を永久追放に相当する最も重い「除名」処分にしたと発表した。森琢ヘッドコーチヘッドコーチは2番目に重い資格剥奪の処分が下された。関東学連の森本啓司専務理事は、加盟チームの代表や理事などによる定例の社員総会で正式決定するとした。

 また、会見で内田前監督と井上前コーチから指示を受けたと告白した宮川泰介選手(20)と日大には今年度の公式試合の出場資格の停止の処分が下された。ただ、チームとして原因究明を行い、実効性の高い改革、組織改革を断行し、報告書を提出して改善がなされ、理事会で承認されれば出場資格の停止は解除されるという条件が付いている。

 会見の冒頭で、関東学連の柿沢優二理事長は「日大を持っている連盟として、悪辣(あくらつ)なプレーでケガをさせたことをお詫びしたい」、「ケガをした学生選手、ご両親、チーム、支援の方、全国のフットボールを愛するファンの方、多方面の方にご心労、ご迷惑をおかけしました」などと重ねて謝罪した。

 この問題を調査していた関東学連の規律委員会は、反則行為を実行し、会見で宮川選手と内田前監督ら指導陣に、聞き取り調査を実施した。宮川選手は、指導陣の指示に従って危険なタックルをしたと話したが、内田、井上両氏は反則指示を否定。柿沢理事長は「ほぼ全容が解明できた」とも語った。

 関東学連の理事会は日本協会の国吉誠会長や清水裕司専務理事ら学連所属の各大学関係者で構成される。罰則規定には重い処分から<1>除名<2>資格剥奪<3>団体活動の一時的または無期限停止<4>公式試合の出場停止-などがある。