柔道の世界選手権(9月、アゼルバイジャン)男子100キロ級代表のウルフ・アロン(22=了徳寺学園職)が14日、グランプリ・ブダペスト(ハンガリー)大会を終えて成田空港に帰国し、おわびの言葉を述べた。

 今年1月に左膝を手術。今大会はリハビリを経て、昨年の世界選手権(ブダペスト)以来約1年ぶりの国際大会となり、優勝して“完全復活”を印象付けた。ウルフは「膝の痛みもなく、試合勘も取り戻すことが出来て良かった。(2連覇を狙う)世界選手権に向けて良い形でつなげられた」と手応えを口にしたが、「減量がきつすぎていろいろな方に迷惑をかけてしまった。申し訳ありませんでした」と謝罪した。

 今後の課題にコンディションの向上を挙げ、今回の「減量」について猛省した。リハビリ期間中は走り込みなどが出来なかったため、体重は最大113キロまで増量。今大会に向けて急ピッチで減量に取り組んだが、試合2日前の朝で106キロだったという。「本当に焦った。そこからの調整練習で追い込んで、(計量日の)4時間前に100キロになった。減量がきつすぎて、その2日間が記憶にないぐらい。トレーナーさんや井上(康生)監督らにもサポートしてもらって、迷惑をかけてしまった。これで出られなかったから全てがアウトだった。体重の落とし方も学んだし、これからは毎日、体重計に乗ります」。

 ブダペストの地では無敗が続き相性も良いが、今大会は1年ぶりの国際大会優勝と減量苦の2つを味わった。復路の機内でも「朝食のパンを残した…」と複雑な表情を見せたが、「今日は焼き肉。今日だけは許してください。もちろんほどほどにします」と言って、笑顔で帰路に就いた。