白血病から復活を目指す池江璃花子(20=ルネサンス)が、昨年8月のレース復帰から5戦目で初優勝を飾った。非オリンピック(五輪)種目の50メートルバタフライで予選26秒38で全体1位。決勝は25秒77で圧勝V。19年世界選手権8位相当の好記録で、五輪選考を兼ねた日本選手権の出場資格も確実。これで自由形、バタフライでそれぞれ50メートル、100メートルと4種目で資格を得る。大目標である24年パリ五輪の途上にある東京五輪も視野に入った。

速い。池江は残り13メートル付近で最初の息継ぎをしてそのまま押し切った。25秒77。「25秒台が出るとは。どんな試合でも1位が取れてものすごくうれしい」。昨年8月29日に復帰した「第2の水泳人生」で初優勝。自身が持つ日本記録25秒11に0秒66差で、昨年日本選手権Vタイムも上回る。バタフライの本格練習はわずか1週間を考えれば、驚異的なタイム。「今の自分の状態なら85点をあげてもいい。いい自信になった」。

五輪代表選考を兼ねた日本選手権は4種目で出場資格が確実。「出るという方向は決まっている。あとは体のダメージも見て種目数を考える。出るからにはいい位置を狙いたい」。その上で東京五輪について「アスリートとして狙っているところは皆一緒と思うので、自分もそれに向けて全力で頑張る」と発言。大目標が24年パリ五輪で変わらないが、その途上にある東京五輪も視野に入れたことを明かした。【益田一弘】