02年度以来の優勝を狙う東北(宮城)は、岡山東商に2-0でストレート勝ち。安食浩士(3年)が15得点の活躍でチームをけん引。19年以来の初戦を突破した。

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ブロックが何枚あっても関係ない。安食は高く跳び上がり、力強く右腕を振った。第1セット(S)からチーム一番の最高到達点340センチを生かしたスパイクをたたき込み、1点差に詰め寄られた同Sポイントや第2Sのマッチポイントで得点。得点源の役割を果たしたが「最後に決めるまでつないだセッターや最初の1本目をつないだメンバー。自分だけのプレーではないので感謝を伝えたい」と汗をぬぐった。

苦しい日々から立ち直れたのは仲間がいたから-。21年6月の宮城県総体前に右足首を骨折。1カ月の休養を経て練習参加したが、意識の差に苦しんだという。そんな中、先輩や同世代の言葉が勇気を与えてくれた。安食と同様に県外出身で日本一になるために越境入学した小山暖人主将(3年)からは「お前なら絶対にちゃんと戻って、もう1回チームを勝たせられる存在になるから…」と伝えられた。

1年後の昨年6月。宮城県総体で優勝し、東北6県で争う東北高校選手権では3大会連続の優勝に貢献。春高デビュー戦でもチームを引っ張った。吉田康宏監督(52)は「2年悔しい思いをして(春高に)出られなくて。最初で最後の舞台にかける思いはものすごく強い」と、その熱意を評価した。目標は揺るがない。

安食 日本一を目指せる最後のチャンス。目の前の一戦に集中して、自分たちの高さと攻撃力のあるバレーを展開して、必ずセンターコートに行きたい。

3年ぶりに帰ってきた名門「TOHOKU」が、一戦必勝で頂点に突き進む。【相沢孔志】

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