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  現代医学が明かす漢方の威力
 

【第68回】

細胞傷害性にも有効

現代医学が明かす漢方の威力

抗がん剤の副作用・下痢(1)

 漢方薬といえば、これまでは伝統的な使い方に基づいて現代医学の場で応用され、あらためてその効果が評価されることが多かった。ところが、それとは全く違う経路でがん治療の場に登場したのが、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)だ。

 これは、北海道大薬学部の鎌滝哲也教授の「思いつき」によるところが大きい。鎌滝教授は、薬物代謝酵素の遺伝子研究で世界的に知られる科学者。最近では、薬物代謝酵素の遺伝子の違いから、タバコを吸ってもがんになりにくい人となりやすい人がいることを解明し、世界的な注目を集めている。その鎌滝教授のもとに、製薬会社に勤める後輩が訪ねてきたことから、すべてが始まったのである。

 後輩は、塩酸イリノテカンという抗がん剤の開発チームの1人だった。塩酸イリノテカンは、日本で開発された優秀な抗がん剤だ。従来の抗がん剤に比べてがん細胞を殺す力が強く、こういう薬があといくつか開発されれば、がん治療も変わるのではないかと、がん治療の専門家が評価するほどの薬だ。

 ところが、後輩は鎌滝教授に悩みを打ち明けた。「副作用が強い」というのである。塩酸イリノテカンは、効果が強い代わりに副作用も強く、当初は死亡者も報告された。これが抗がん剤としての大きなネックになっていたのである。特にユニークな副作用が下痢だった。投与後数時間後には急性の下痢が起こる。これは何とか薬で治せるのだが、投与後3日から1週間、時には10日もたってから激しい下痢を起こす。「遅延性の下痢」と呼ばれる副作用だ。

 これは、おなかを壊したというたぐいの下痢ではない。鎌滝教授によると「細胞傷害性の下痢」で、腸の粘膜細胞が次々に脱落し、腸の壁が透けるほど薄くなるという。当然、栄養は吸収できなくなり、患者は見る間に衰えていく。当初は、この下痢で死者も出た。しかし、今では下痢は死に至る副作用とは考えられていない。なぜか。半夏瀉心湯によって下痢が予防できるようになったこともその一因なのである。

【ジャーナリスト 祢津加奈子】

塩酸イリノテカン

 中国原産の喜樹などの植物に含まれるカンプトテシンから合成された抗がん剤。肺がんや婦人科系のがん、胃がん、大腸がんなど多くのがんで利用されている。
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