男子1500メートル(視覚障害T11)で、和田伸也(39=賀茂川パートナーズ)が自己ベストに迫る快走をみせた。スタートから飛びだした和田は中盤で苦しんだものの、後半のスパートで4分18秒31の好タイムでゴール。自身の日本記録(4分15秒62)には及ばなかったが、国内でのベストを出して「来月の世界選手権に向けて、いい走りができました」と話した。

 パラリンピックはロンドン大会5000メートルで銅メダル。連続メダルが期待された昨年のリオデジャネイロ大会は1500メートル、5000メートルともに6位でメダルを逃した。大会中に伴走者の中田崇志さんに指摘されたのが「足首の固さ」。大会後から柔軟性を増すトレーニングに取り組んだ。

 「本当に体が固くて…。せめて一般の人ぐらい柔らかければ」と和田は苦笑いするが、中田さんは「以前よりも前に行く力が増しています。成果は確実に出ています」と話す。今年になってからは大阪ハーフマラソン、ロンドンマラソンで優勝、5000メートルでも国内最高タイムをマークするなど「タイムが安定してきたから、練習も楽しい」と笑顔をみせた。

 世界選手権は4回目の出場。11年マラソン銅、13年マラソン銀、15年5000メートル銅と連続でメダルを獲得している。「どんなメンバーが出てくるか分からないけれど、より上位を目指したい」と話しながらも「やっぱりメダルがないと、見せるものがないので」と、4大会連続メダル獲得を目指して話していた。