女子SL4(下肢障がい)で、2年ぶりの出場で初優勝を狙った藤野遼(23=福岡大)は、程和芳(中国)に0-2(11-21、12-21)で敗れた。

「パワーに押されてフットワークをうまく使えませんでした」。第1ゲームの中盤までは食い下がった藤野だが、その後は程のショットに圧倒された。バックサイドを深く攻められ、打ち返してもフォアサイドのネット際に落とされる。コートを対角線上に走らされ、しぶとくラリーを続けて相手のミスを誘う戦術を封じられた。

福岡大若葉高2年の時に出場したアジアユースパラ(マレーシア)で銅メダルを獲得した。その時、初対戦して勝った程とは、頻繁に連絡を取り合う友人でもある。17年のこの大会では準決勝で敗れ、今年もこれで5連敗と勝てなくなっている。「彼女はどんどん強くなっている」とその実力をたたえながら、「私も1つ1のショットの正確性を上げて、ラリーを得点につなげられるようにしたい」と前を向いた。

東京パラリンピック出場ランキングは現在4位で、代表権獲得の期待も高い。本番会場の代々木第1で大きな声援を受けながら戦った。「メッチャ、聞こえました。うれしかった。私の目標はファーファン(程)と東京の決勝で戦うとことです」。脳性まひで右脚、右腕に障がいがあるが、福岡大では3年生まで健常者と一緒に活動してきた。今年からパラバドミントンに専念し始めた日本の新戦力は、来年へ向けて成長を続ける。【小堀泰男】